JR九州 キハ71系・キハ72系ゆふいんの森

鉄道

JR九州のキハ71系・キハ72系ゆふいんの森は、その名のとおり福岡県博多と温泉地の大分県由布院を結ぶ観光特急です。
1日3往復のうち1往復は別府まで運転されています。

最近、JR九州では観光列車を”D&S(デザイン&ストーリー)列車”と呼ぶようになりましたが、ゆふいんの森はその先駆けとなった列車です。
ちなみに “D&S”とは、”D”は”特別なデザイン”、”S”は運行する地域に基づく”ストーリー”で、”デザインと物語のある列車”という意味が込められているそうです。

この列車の特徴は以下の2点だと思います。
1.全車眺望の良いハイデッカー構造
2.ビュッフェ

1つ目のハイデッカー構造についてですが、列車に乗る時に乗車口で階段を上がります。
客室は階段を上がった分高い位置にあり、眺望が良くなっています。
車両間の連結部分もブリッジで結ばれています。
座席は車体と同じくグリーンを基調にした回転式リクライニングシートになっています。
そして、運転席の後ろはガラスで仕切られているだけで、前面展望が楽しめるようになっています。

2つ目のビュッフェについてですが、ゆふいんの森にはビュッフェが設置されており、車内で沿線地域のスイーツやドリンク、ゆふいんの森グッズなどお土産を購入することができます。
私も乗車記念にゆふいんの森キーホルダーを購入し、車内でゆずみつスカッシュをいただきました。
ゆずみつスカッシュは、ゆずの香りが口に広がり、炭酸のすっきりとした飲み口で美味しかったです。

ゆふいんの森には、記念乗車証が車内に備え付けられており、スタンプを押して乗車記念にすることができます。
この列車だけでなく、JR九州のD&S列車それぞれに記念乗車証があり、私の中ではこれを集めるのも D&S列車に乗る時の楽しみの1つです。

列車は博多を出発すると久留米まで鹿児島本線を走行し、久留米から久大本線に入ります。
久大本線に入るといくつか車窓スポットを通過しますが、その中から2つ紹介したいと思います。

まず1つ目は慈恩の滝です。
大分県日田市と玖珠町の境にある滝で、大蛇伝説や龍神伝説が残っているそうです。
由布院に向かって走っている時は進行方向右側に見えてきます。
滝を通過する時は列車の速度を落として運転してくれます。

2つ目は旧豊後森機関庫です。
久大本線を蒸気機関車が走っていた頃の扇形機関庫で、機関庫と転車台が残っています。
豊後森駅を出発するとこちらも由布院に向かって走っている時は進行方向右側に見えてきます。
2009年に近代化産業遺産に認定され、2012年に国の登録有形文化財に登録されています。
公園として整備されているので、豊後森駅で下車して見に行くこともできます。

最後に車両について書きたいと思います。
ゆふいんの森はタイトルに書いたとおり、キハ71系とキハ72系の2車種で運行しています。
両数や設備の違いがあるのですが、どちらもぱっと見は区別がつかないかもしれません。
しかし、側面のゴールドのラインの太さや側窓の大きさ、前面をよく見ると違うので注目してみて下さい。
私は2回乗りましたが、2回ともキハ72系でした。

そして、キハ72系には1両だけ2015年に後から増備された車両があります。
4号車がその車両なのですが、座席のデザインが他の車両と異なっています。
乗車された時にデザインの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

車両のデザイン・設計は工業デザイナーの水戸岡鋭治氏です。
JR九州のD&S列車のデザイン・設計と言えばこの人という人ですが、乗りたくなるような車両を世に送り出しています。
最近は、車両だけでなく駅のデザインなども多く手掛けられています。
そして、JR九州だけでなく他社のデザインも手掛けられており、あちこち巡ってみるのも良いかもしれません。

運行区間:博多-由布院・・・1日2往復
     博多-別府・・・1日1往復