近鉄 宇治山田駅

近畿

近鉄で伊勢を訪れた場合、伊勢の玄関口となるのがこの宇治山田駅です。
宇治山田駅の魅力は駅舎だと思います。

1930年に開かれた「御遷宮奉祝神都博覧会」の会場跡地に開設された駅で、駅舎は開業当時からの鉄骨鉄筋コンクリート造3階建て(火の見櫓を含めると5階建て)です。
駅舎本屋は2001年に国の登録有形文化財に登録されています。
神都伊勢の玄関口でありながら西洋的な趣がありとても美しい駅舎です。

外壁はテラコッタタイルで全面装飾されていて、屋根は茶色のスペイン瓦を使用しています。
入口の上部に八角形の明かり窓があり、コンコースに日光を取り入れています。
駅舎内部のコンコースは天井が高く2階まで吹き抜けがあります。
天井の灯りも駅舎にマッチした造りになっています。
柱の4面がベンチになっていて、列車を待つ間や駅構内のショッピングモールでお土産などの買い物をする間の利用に便利です。

宇治山田駅で私のお気に入りの場所は1番線ホームの伊勢市駅寄り先端です。
直進する線と分岐する線の並びがきれいで、ここを通過する列車の挙動を見入ってしまいます。
ある意味、私の人生を決めた場所と言っても過言ではありません。
最近は2番線に入線する特急列車も増えましたので、いろんな列車の入線シーンが楽しめそうです。

利用者の視点で見ると、駅本来の機能のほかに、駅構内にショッピングモールがあるのは観光地の駅としては必要な施設の1つではと思います。

Time’s Place うじやまだは2013年の式年遷宮に合わせてできたショッピングモールで、お土産の購入のほか、ファミリーマートも入っているのでちょっとした買い物もできて便利です。
お土産を買い忘れた場合にも列車に乗る前に買うことができます。

そして、この駅の特徴として書いておかないといけないのは転車台と火の見櫓でしょう。

転車台は1、2、3番線ホームと直結していて列車を降りてすぐにバスに乗ることができました。
今はもう使用されていませんが、宇治山田駅が伊勢方面の終着駅であった当時はここから鳥羽、志摩方面向かう人たちの便宜が図られていたのだと思います。
大阪、京都、名古屋方面から来られた場合は降りたホームと直結していますので、興味のある方は改札に向かう前にちょっと寄り道してみてはいかがでしょうか。
“ブラタモリ”(NHK総合)でも紹介されました。

火の見櫓は、駅舎の五十鈴川駅寄りの塔になっている部分が使われていたそうです。
ここだけ、頭一つ飛び出したかのように5階建てになっています。
使われていた当時は今ほど高い建物は多くなく、市街を広く見渡せることができたんだと思います。

伊勢を訪れた時に多くの方が利用する駅ですので、駅そのものにも注目してもらえたらと思います。