京都 源光庵

近畿

源光庵は京都市北区鷹峯にある曹洞宗の寺院です。
本堂には丸い”悟りの窓”と四角い”迷いの窓”があり、これらの窓の向こうには美しい庭園が広がります。
窓越しの庭園を鑑賞しに紅葉の季節には特に多くの人が訪れます。
私もJR東海の”そうだ 京都、行こう。”キャンペーンのポスターを見て行きたくなり訪れました。

悟りの窓の円型は”禅と円通”の心が表されていて、ありのままの自然の姿、清らか、偏見のない姿、つまり悟りの境地を開くことができ、丸い形(円)は大宇宙を表現しているそうです。
また、迷いの窓の⾓型は人間が誕生し、一生を終えるまで逃れることのできない過程、つまり”人間の生涯”を4つの角で象徴し、この”迷い”とは”釈迦の四苦”のことで、この窓が生老病死の四苦八苦を表していると言われています。

これらの窓から庭園を鑑賞して過ごすのがこの寺でのおススメの過ごし方です。
特に紅葉の季節は、窓が額縁のようになって庭園の紅葉を見ることができます。
本堂の中が少し暗く、外の明るさとのコントラストで紅葉が一層引き立って見えます。

私は6月にも訪れたことがあるのですが、新緑の季節も紅葉とは違う鮮やかな緑の美しさを感じることができます。
紅葉の時期は多くの人が訪れるので、ゆっくり鑑賞するなら新緑の季節など時期をずらした方が良いかもしれません。
これらの窓の正面に座ってゆっくりと鑑賞することができました。

悟りの窓、迷いの窓以外に本堂には伏見桃山城の遺構の血天井があります。
1600年、徳川家康の忠⾂・⿃居彦右衛⾨元忠⼀党1800⼈が⽯⽥三成の軍勢と交戦し討死、残る380余⼈が⾃刃して相果てたときの恨跡で、こうした武士たちを供養しています。

源光案を訪れた時は、道を挟んだ斜め向かいの光悦寺にも訪れることをお薦めします。
江戸時代の芸術家である本阿弥光悦が1615年に徳川家康からこの地を与えられ、一族や様々な工芸の職人らと移り住み芸術村を営んだ場所で、光悦の死後に光悦寺が創建されました。
こちらも参道が紅葉のじゅうたんになったり、美しい紅葉を見ることができます。

アクセス:京都市営地下鉄烏丸線北大路駅より京都市営バス北1号系統、
     または、阪急京都線大宮駅(四条大宮)より6号系統に乗車、
     鷹峰源光庵前下車、徒歩約1分

※2019年6月1日より庫裏改修工事のため、拝観を長期休止されています。
 拝観再開は2022年春予定です。